愛媛県今治市大三島町宗方の海岸で15日、200年以上の歴史があるといわれる伝馬船競漕「櫂(かい)伝馬」(実行委員会主催)があった。後継者不足で1999年を最後に途絶えていたが、昨年復活。今年も3艘(そう)が勇壮なこぎ比べを披露し、多くの帰省客らが声援を送った。
 旧暦6月17日に宗方八幡神社で開かれる十七夜祭(管弦祭)の一つで、1814(文化11)年に行われていた記録が残る。昨年開催された「瀬戸内しまのわ2014」で復活し、今年は帰省客も参加しやすいように盆に行われた。
 長さ約9.5メートルの船に、こぎ手や主櫂(おもがい)、太鼓打ちなど16人が乗り込む。スピードだけでなく、接触した相手の船をいなす操船技術を競う。
 3艘は約100メートルの海岸を何度も往復。船が横に並ぶと競漕が始まり、こぎ手はテンポが上がった太鼓に合わせて必死に櫂をこぎ、観客から「やれー」「頑張れ」と声が飛んだ。